hon-nomushi’s blog

人生の友になる本との出会い

編み物とウイスキーと 三國万里子『編めば編むほどわたしはわたしになっていった』

                       f:id:hon-nomushi:20221206093302j:image

なんて素敵なエッセイなんだろう。

文庫になったら絶対手に入れよう。

読み終えた時心からそう思いました。

 

編み物作家の三國さんの、初のエッセイだそうです。

ご主人と出会った頃の話、

学生を終えて東北の秋田で過ごしていたころの話、

そして今の編み物を編んでいるときの話。

 

どれも時系列に並んでいるわけではないそうなのだけれど、

エッセイのどれもに、

1人の人の日常の豊かさ、一目会っただけではわからない

1人の人の奥深さを感じました。

 

文章が心地よく、いつまででも読んでいたくなるような

エッセイばかりで、すっかり夢中になっていました。

個人的にとても好きなのは、

依頼をされた人形に着せるセーターを編むところでした。

ウイスキーを飲みながらこたつに入って、深夜に編みものを続ける作者の姿。

想像しただけでなんとも、豊かな世界を感じます。

今年出会ってよかった本に間違いなく入る本です。

 

せわしない年末に、ゆったりとした時間を組み込みたいときに

ぜひお勧めしたい本です。