今夢中になってひたすら読んでいる稲垣さんの本。
きっかけは『家事か地獄か』という一冊と出会ったことでした。
朝日新聞で記者として働いていらしたころの稲垣さんの記事は、
身に迫るものがありました。
原発に反対しながらも、結局のところ電気が(たくさん)ないと
生きられない生活をしている今の自分のこと。
今の社会がもうかるためのしくみで、
もっともっと、と買うものが多すぎて、
実は不便になっている生活のことなど。
なんというか、頭がごんとなぐられたような衝撃を
たくさん受けました。
自分自身が電気をたくさん使う生活をしながら、
脱原発と言っている現実は、
本当に身に迫るくやしさと切実さがあります。
けれども稲垣さんのすごいところは、ただ批判するだけではなく
次の生活の指標を自ら示していることだと思います。
粗食にしたら本当に体調が良くなり、
ごちそうを食べたくなくなったこと。
電気でお湯をわかさないために
近所の銭湯を毎日利用し、
そこで周りの人たちと仲良くなって
孤独とは無縁の生活になったこと。
これからの社会は、お金を稼ぐことが第一なのではなく、
人とのつながりによってもたらされるのではないかという
自らの生活を変えたことでわかったことを
惜しみなく本にしてくださっています。
なんと賢い人なのだろう。
そして、なんとすがすがしい生活なのだろう。
もっともっと、豊かになることを望んできた生活から、
もっともっと、人が苦しくなく、毎日が本当に満たされる生活へ。
本のおかげで目指す生活の方向が見えてきました。