hon-nomushi’s blog

人生の友になる本との出会い

LGBTQの描き方 原田マハ『ロマンシエ』

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いつも一定の火曜日または水曜日、

そして金曜日にブログを書く予定でいるのですが、

最近週中が忙しくて、ブログが書けない時が続いています。

なかなか定期的にUPできずに、ごめんなさい。

少し落ち着いたので、来週くらいから定期的にUP

できるようにしたいと思っています。

 

気を取り直して。

そんな日々でも時間さえあれば本を読んでいるわたしが、

今回ご紹介したいのが『ロマンシエ』。

フランス語で小説家という意味です。

主人公は育ちのいい男の子で、好きな人は男の子。

彼は美術大学を卒業後、パリの芸術学校への入学が認められ、

パリで暮らし始めます。

日本で好きになった男の子のことを想いながらも、

パリの暮らしを心から楽しむ主人公。

ひょんなことから心から愛する小説を書いている

小説家を助ける役目に陥ります。

そして日本で決着がつかなかった

恋の行方も動き出します。

 

著者のフランスの生活の描き方。本当にリアルです。

10年以上前、わたしが暮らしたフランスの生活を思い出しました。

パリに住んでみるとわかるのですが、

きれいなだけではないパリの生活。

日本で根付いているイメージとは違うパリシンドロームという、

パリに幻滅するという言葉があるくらい。

だけれども日本で生きにくさを感じている人は、

パリの自由を感じて生き生きとされている方も多くて、

それがフランスでの、パリの生活の魅力。

 

パリでの生活のリアルな場面が描かれながらも、

小説の展開はロマンチックで事件にあふれていて、

展開の面白さはまるで映画のようでした。

何よりも主人公の人の良さを心から感じて、

すっかりファンになってしまいました。

 

そしてLGBTQをことさらに主張するわけでもない

主人公の描かれ方にも、心から感嘆しました。

ああ、素敵な小説だった。