なぜだか写真が横向きになってしまって。
変えようと試みてはみたのですが、表紙が美しいことに免じて
このまま投稿させてくださいね。
小川糸さんの新しい小説、『とわの庭』を読みました。
主人公は目が見えない子どもで、お母さんとふたりで暮らしています。
甘やかな母との生活は、まるでおとぎ話のようで、
外にでない主人公は、母と家の中だけで静かに暮らしています。
ところがあるとき母が急に家に帰らなくなってしまい、
そこから主人公の物語が本当に展開していきます。
美しい春にぴったりの表紙をしていますが、
この本は現実と目を背けることなく、主人公のほっておかれた状況にも
きちんと触れています。
ただふわふわと物語の中を漂うだけではなく、
現実との折り合いもまたきちんと描かれていることに、
この作品の強さを感じます。
4月。日本では新しいことが始まる時期ですし、身体も外へと開いていく時期。
心がわさわさする時期です。
少し落ち着かない時はぜひ、この本を読んでみませんか。
現実から離れすぎることなく、
かといって物語の世界を楽しめないということもない
この『とわの庭』の世界を楽しむのには、今がおすすめ。