hon-nomushi’s blog

人生の友になる本との出会い

読み切った充実感 ジョナサン『フリーダム』

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つい借りちゃった…と家に帰って我に返るくらい分厚いアメリカの小説。

この表紙のデザインがすばらしくて手に取ってみましたが、

読むのを中断するのが難しくて、3日ほど読み込んでいました。

 

読むのをやめられないほど面白かったか?

と言われると、内容は決して楽しい小説ではないんです。

基本はある夫婦が主人公なのですが、

本人たちの複雑な関係、その周りで暮らしている近隣の人たちとのごたごた、

親との関係、友達の関係など決して読んでいて明るい気分になるような

物語ではなかった。

でも、やめられないんです。

「どうしてそっちに行くかなあ、そっちはトラブル満載の道だよ!」

と思う方にばっかり主人公たちが進むし、

親子の関係も最悪。

 

読んで明るい気分になる本ではないのだけれど、

右往左往する主人公たちの様子を見ていると、

世の中皆が幸せに問題なく暮らしているわけではないんだと

妙な安心感に包まれます。

あくまでフィクションなのですが、限りなくリアルに思える

話の展開でした。

 

話の合間にはアメリカの軍事産業への強烈な皮肉や、

大統領の話なども出てきているので、

分かる人にはそこも楽しめると思います。

 

万人にはお勧めしないけれど、

何となくうつうつとしているときなどにはお勧めです。