文庫で見つけた本ですが、少し重かった。
主人公は大学を中退し、アルバイトをして生計を立てている青年。
人を助けることなど考えもしなかった日々の中で、
あるとき公共の施設でたばこの跡がついている子どもに出会います。
そこから彼らを救うべく公共の施設に問い合わせたり
様々な手段を講じても全く虐待から子どもたちを救うことができない。
そこでなんの手立てもこねもないのに、
1人で(時に友達の手も借りて)子どもたちを救い出そうとする小説です。
人の善意のようなもの、時に生じる誰かを助けなければという想い。
これはだれにでもふいに起こり得るものなのかしれない。
この小説を読んでいると、
作者はそんな風に考えてこの物語を作ったのではないかと思うのです。
(もちろん、わたしの解釈ですが)
普通に生きている人の中に突然湧き上がる善意の闘志の行く末を
見守りたくてつい最後まで息つく間もなく読んでしまいました。
ボリュームのある本なので時間のある時にしか読めないかもしれませんが、
それでも読む価値のある人について考える機会となる本だと思います。