とっても素敵な表紙の本、中身もすばらしかった!
自然科学の学位を持つ作者ジュゼッペ・フェスタが、
動物と山を愛する盲目の少年と出会ったことから生まれたこの物語。
主人公は目が見えませんが、おばさんとの山登りをこよなく愛し、
鳥にも詳しい少年。
目が見えないことで助けてもらわなければ
ならないことに抵抗を感じていて、周囲のそういった手助けを
たいてい拒否して生活しています。
この本が素敵なところは、目の見えない主人公に出会った時の
周りの人のとまどいを隠さずに書いているところです。
山小屋で出会った同じ年の少女は、主人公にどう接していいのか
わからずとまどうし、山を案内することになった男性も、
「登っても景色は見えないのに…」と思ったりします。
けれども、登場人物たちはお互いに助け合うことを覚え、
少女とも目が見えないからこそのきずなが生まれ、
最後は主人公にしかできないやり方で他の人を助けます。
話の展開するリズムが心地よく、心が穏やかになる物語でした。
作者のHPには動物たちや自然の映像もありました。
(英語字幕あり)
動物が大好きな子どもと一緒に観てみようと思います。