hon-nomushi’s blog

人生の友になる本との出会い

遊びは生きるかて 西川正『あそびの生まれる場所』

       

日本の子育てを経験していて、

ほんとうに閉塞感を感じます。

電車やショッピングセンターにいる赤ちゃんたちは、

たいていスマホ漬け。

なかないため、親のため?もあるだろうけど、

一番は赤ちゃんが泣くと生まれる

まわりの見えないちくちく視線なのではないかと…。

子どもが小学生になっても、

つい「すいません」と謝ってしまうことが今でもたくさん。

だけどそんなぎすぎすした社会だけじゃないことを、

わたしは海外で生活をして知っています。

だから、子どもを自由に遊ばせる場だけは、

塾よりも習いごとよりも一生懸命探して連れて行っています。

 

保育園はしっかり1人の人として扱ってくれる、

きびしくものびのびとした園にいれました。

小学生になった時は、近くの森で自由に遊べる

プレイパークに通っていました。

プレイパークにはどれほど感謝していることか。      

たとえ子どもがけんかしても、親は口を出さずにいる。

棒切れをふりまわしても、

「人のいないところでやんな!」

ですむ。

あぶないかどうか、やってみないとわからない段差からのジャンプも、

あえて目をつぶってやらせる。

「危ないからやめなさい!」と止める大人がいないからこそ、

子どもたちが自分で学ぶことの大切さを

わたしはここで本当に身をもって知りました。

そしてその場にいる子どもたちの生き生きとした姿!
その関係性を良しと思ってくれる仲間がいたからこその

プレイパークでした。

 

著者もそんな遊びの場を作る活動をされているおひとり。

現状の「何かあっては困るから」の一言で、

様々な場所で遊びが生まれないでいる現状を知って、

わたしは本当に苦しくなりました。

プレイパークに初めてきた子どもの中には、

「この木にのぼっていいですか?」と

聞く子がいるそうです。

それを読んで、涙が出てしまいました。

遊びたいという気持ちが、どれほど制限されてきたのか…。

決してその子はその状態を不自由とは思っていないことも苦しい…。

 

暗いことばかり書いてしまいましたが、

この遊び場を作る天才の著者は、親も子も

当事者意識を主体にする遊び場をたくさん提案されています。

お客さんではなく、その場を作る人になる。

その意識が「何かあったら困る」状態を変えていく鍵だと。

 

はっとしました。

わたし自身もまた、子どもが遊ぶ場において

受身になっていなかったか?

せっかくの場を作り上げていく一員という自覚は、

あまりなかったのではないか?と。

 

遊ぶ場、子育ての場、教育の場における、

たくさんのヒントがありました。

もしご興味があったらぜひ。