hon-nomushi’s blog

人生の友になる本との出会い

わすれられないバインセオ 有元葉子『わたしのベトナム料理』

時折訪れる、大好きな街福岡。 おいしいものがたくさんあり、いつもどこにいこうか 迷ってしまうのですが、 最近は定番のお店をめぐることが多くなりました。 先日訪れた時は野菜がいっぱい食べたくなって、アジアンマルシェへ。 www.asianmarche.jp ここで…

こんな風に一日を記録したい いせひでこ『気分はおすわりの日』

「あ、この絵!」 と見ただけで誰の絵かわかる、細い線のスケッチ。 いせひでこさんの犬との暮らしをつづった本です。 この本の前作に『グレイがまってるから』という本があるのですが、 そのタイトルがとても記憶に残っていて、ようやく手に取りました。 わ…

すいとんの幅広いレパートリー minokamo『粉100、水50でつくるすいとん』

この表紙を見たとき、びっくりしました。 すいとんなのに、カルボナーラ! すいとんというと、どうしても日本の煮込みうどんのようなイメージで 洋風なめんとは結び付きませんでした。 ところがこの本では、すいとんはカルボナーラにもナポリタンにも、 はた…

読み終わった後が心地よい フレドリック・バックマン『ブリッド=マリーはここにいた』

これまたPinterestに出てきた本を見て、手に取ってみたのですが、 読んだ後になんだかほっとしてため息をついてしまいました。 結末が、とてもいいんです。 とても安心して、読み終えられる作品でした。 作家はスウェーデンの人気作家で、これまでの作品も …

サスティナブルと家 服部雄一郎 服部麻子『サスティナブルに家を建てる』

ゼロウェイストの本で知った著者の新しい本が出ていて、 家を建てることとサスティナブルがテーマだったので迷わず読みました。 思いがけず家を建てることになった著者一家。 高知の高温多湿の状況で、いかに環境に負荷をかけずに 家を建てるかの奮闘記が書…

沖縄から政治を考える 玉城デニー『新時代 沖縄の挑戦』

義母が移住した関係で、沖縄に毎年行くようになっているここ数年。 青い海を楽しむだけではなく、もっと沖縄の文化を 知りたいと思うようになっています。 そして以前であったこの作品たちを読んで、 hon-nomushi.hatenablog.com ただ観光地として訪れるだけ…

起こってほしくはないけれど こさささこ『ある日突然オタクの夫が亡くなったら?』

この本を手に持ったまま、マンションのエレベーターで家族に会ったら なんだか気まずかったのですが…。 ある日Pinterestで表紙を見て、ぜひ読んでみたいと思った1冊。 大切な家族が亡くなる日なんて、考えたくもないけれど、 現実は今日も明日も生きている保…

絵に魅かれて物語を紡ぐ ローレンス・ブロック編『短編画廊』

こんな魅力的な本があったなんて。 2019年に出版されていたこの本は、ピンタレストで出てきました。 アメリカを代表する画家エドワード・ホッパーの絵から 17人の作家が物語を紡いだ短編集です。 ホッパーの絵が大好きなので、迷わず読みましたが、 それぞれ…

理想の暮らしがしたいなら 大原照子『シンプル家事ノート』+『少ないモノでゆたかに暮らす』

8月も後半!暦の上ではもう秋ですね。 夏休みになり、家に人がいない時間が少ないわが家。 あっという間にちらかる本や床に落ちたティッシュにため息。 片づけて、リセットして、ご飯を作ったり食べたり。 毎日そんな繰り返しですが、 元気な毎日とおびえず…

島で読みたかった本に出会う ブレイデイみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』

このとっても魅力的なタイトルに惹かれつつも、 ずっと読む機会がなかった本。 一度見たら(知ったら?)忘れられないタイトルのこの本は、 読み始めてみたら、子どものこと、自分の持っている偏見のことなど 深く自分に突き刺さる問題がたくさんありました…

今年出会えて良かった作者 加茂谷真紀『愛のエネルギー家事 すてきメモ303選』

少し前に作者の加茂谷真紀さんの新しい本が図書館にあり、 すっかりファンになってしまいました。 ファンになるととことん、突き詰めて読むわたしは、 今出版されている3冊の本を、すべて予約しました。 この本は家事に対して、色々な面があることを教えてく…

3年生の夏休み 斉藤洋『西遊記』

3年生の夏休み。 今年わが家では、子どもが『西遊記』にはまっています。 1年生の時は妖怪一家九十九さん。 2年生の時は少年探偵ブラウン。 3年生の今は、『西遊記』に夢中です。 実はわたしは、子どもが夢中になるどの作品も知らずにいました。 1年生の時こ…

夏休みは長編を テリーザ・ブレスリン『メディチ家の紋章』

旅に出ていて、更新が遅くなりました。 子どもが夏休みに入ると家で過ごす時間が長いので、 気合を入れて長編に挑戦するのがここ2年の恒例です。 とはいえ、子どもが1人で読んでくれるようになったのは去年から。 そう考えると1人読書に没頭できる時間が、本…

様々な人を知る一つの方法 椎野直弥『僕は上手にしゃべれない』

小学校の図書室で勤務をするようになり、子どもたちが今好きな本を知ると、 わたしが子どもの頃は手に取らなかったような本に出会うことがあります。 子どもたちから「この本、面白かったよ!」と言ってくれる時があり、 そういった本は必ず読むようにしてい…

少し怖い そのさじかげん ロバート・ウェストール『真夜中の電話』

時折新刊の本には、出版社の新刊案内がはさまれていることがありますが、 この作品はその案内の中から見つけたものです。 表紙の絵を見てはっとされた方もいらっしゃるかもしれません。 宮崎駿さんの絵が表紙です。 一目見るだけで誰の作品かわかるというの…

本と出会う時期 モンゴメリー『青い城』

ずっとわたしの本棚にあるモンゴメリーの『青い城』。 小学生のころ、赤毛のアンよりもこのモンゴメリーの作品が大好きでした。 ちょうど4年生くらいのときに、読んでいたのを良く覚えています。 主人公は29歳。厳しい母親に愛されることなく、 貧しい生活の…

平和な日常を想う絵本 『世界の市場』

先日熊本市内に行って、素敵な絵本を見つけました。 世界中の市場の様子と、売られている食べ物が中心に描かれていますが、 少しだけレシピもあります。 市場の様子を見ると、人の日常の大切さを強く感じます。 その日の、またはそのあと数日の食べ物を買い…

とにかく読みすすめたかった カトリーヌ・パンコール『ワニの黄色い目』

お風呂に入るとき、運転しているとき、食べているとき。 同時進行で本を読めない3つの行動を並べてみました。 料理中も、寝る前も、とにかく空いている時間はすべて読書。 この作品を読んでいるときは、そんな感じでした。 フランスを舞台にした40代の女性を…

生きる主役は、自分 ビアンカ・ピッツォルノ『ミシンの見る夢』

先週はどこかで1万円を落としてしまって、 落ち込んでいて更新ができませんでした。 幸い発見してくださって届けてくださった方がいらして、 ホッと一息。 気を取り直して今日の1冊。 冒頭のわたしのエピソードなど、取るに足らないことのように 思える物語…

わたしのストレス解消法 『ならべる、そろえる収納』

少し前にこのタイトルをどこかの本で見つけて、 中が見たくてたまらなくなりました。 ちょうど仕事が立て込んでいた今週、 ちょっと一息つけるときにこの本が届いて、 小躍りしながら中身を開きました。 収納の本が大好きです。 特に美しくものがそろってい…

梅の季節2022 (再)有元葉子『梅干しを漬けてわかること』

いつもお世話になっている養鶏場、実は梅も作っていらっしゃいます。 毎年この時期に1年分の梅エキスを作る、とのことで、ご家族の集まりに 参加させていただきました。 なにしろ1年分だから、こちらでは ジャムビン20個ほど!梅エキスを仕込むのです。 も…

旅をするひとを知った本 銀色夏生『外国風景』

この表紙の古びた感じ、写真でも伝わるでしょうか。 わたしが中学生の頃に買ったもので、もう20年近く持っている本です。 度重なる引っ越しにも耐え、本棚ミニマム化の嵐もくぐりぬけて 残っている力強い1冊です。 この本との出会いは不思議なものでした。 …

いつまでも友達のピッピ リンドグレーン『長くつ下のピッピ』

4月末から5月にかけて、子ども読書週間というのがあるのをご存知ですか? 文字通り、子どもに読書を推進する運動なのですが、 それに合わせて図書館などでは様々なイベントが行われています。 近所の図書館でも、新聞紙に包まれた本が年齢別に分かれて置かれ…

児童文学は本物がいい C.S.ルイス『ライオンと魔女』

最近の読み聞かせは『ライオンと魔女』。 自分でかなり本を読めるようになったけれど、 こういう長編は、漢字が読めなかったら嫌なようで、 なかなか自分からは手が出ないようです。 読んでほしいけれど、1人で読むのが大変な作品は、 わたしがお勧めして夜…

現在のアメリカン・ドリーム ケリー・ヤン『わたしのアメリカンドリーム』

最近、アメリカに関しては格差の現実を書いたものが多い気がします。 けれどもこれはそんな現実を描きながらも、希望も書かれていて 最後まで読んで良かった、と思った作品です。 主人公の両親は中国からの移民で、 やっとのことで見つけた住み込みのモーテ…

結局、仕事は人との関り ハービー・山口『人を幸せにする写真』

更新まで少し時間が空いてしまいました。 GWは忙しく、あっちこっちうろうろしていました。 久しぶりに都内にも行って、街中でたくさん歩きました。 「都会の方が実はけっこう歩くんだよね!」なんて会話を家族でしながら。 今日から通常運転、の予定です。 …

繰り返し出会う本の中のひと 宮本輝『ここに地終わり 海始まる』

kindleの表紙をそのままアップするとなんだか味気ないですね! わたしにとって大事な本で、時折読み返したくなる本です。 小学生の頃は浴びるように児童文学を読んできた私は、 中学生になった時に何を読めばいいのか、 全くわからず途方に暮れていました。 …

ミニマムな家の風景 江崎聡子『エドワード・ホッパー作品集』

ホッパーの絵が大好き。 ミニマムな世界を見ると心が穏やかになります。 家の中を描いていても、無駄なものが何もないホッパーの絵。 よく見ると色々なところで疑問がわくところも大好き。 この人はどうして1人でいるの? なぜ誰も街にいないの? ホッパーの…

かぞくかいぎをはじめよう 玉居子泰子『子どもから話したくなる「かぞくかいぎ」の秘密』

今年の初め、親ともめてしまいました。 きっかけはお互いのコミュニケーション不足。 言葉になっていない暗黙の了解・期待を 私たちが理解していなかったことが原因で、 最後は本当に親を怒らせてしまいました。 その結果、すごく怖い思いをしたり、申し訳な…

安心を作る読み聞かせ わが家の絵本たち

わが家の子どもは3年生。 新しい学校に入ったので、毎日緊張しているよう。 昨日はぐったりして宿題にもなかなか取り掛かれないようでした。 ちょっとだけ宿題を手伝っても、 そのあとぐずぐずは続く…。 ふと「絵本を読もうか?」と声を掛けたら持ってきたの…